金沢散歩 – ひがし茶屋街・卯辰山編 –

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GWの後半、あえて混雑している日を選んで久しぶりに金沢の街へ散歩に出かけてきました。

スタート地点に金沢の観光スポットとして有名なひがし茶屋街を選び、そのまま路地を抜けて卯辰山を散策する短いコースです。

普段、地元民は観光客で混雑する場所や日時を選んで出掛けることはあまりないのですが、GW期間中あまりに快晴の日が続いたこともあり、その日の気分で思い立って行ってきました。

街が賑わう様子を見ておくことも金沢市民としては大切な役目です。(笑)
ありがたいことですね。

では早速今日のコースを見ていきましょう。

ひがし茶屋街~卯辰山~玉兎ヶ丘公園~見晴らし台~望湖台

◆散歩コース
スタート/ゴール:ひがし茶屋街⇔卯辰山
距離:4.4km
最大標高差:118m
所要時間:2時間(途中休憩含む)
天候:快晴

ひがし茶屋街の正面入り口を起点として、茶屋街の賑わいを感じつつ、路地を抜けて坂を上りそのまま卯辰山を散策するコースです。

滞在時間としてはほぼ卯辰山の散策がメインなのですが、スタート/ゴール地点ともに茶屋街のため、「ひがし茶屋街⇔卯辰山」ルートとしました。

ひがし茶屋街界隈は非常に混雑するため、近くまで自転車で行き、その後徒歩でスタート地点まで行きました。
マイチャリの場合は自転車を止めても迷惑にならない駐輪スポットは限られるため、その辺りは気を付けたい点ですね。

金沢に観光で来られる場合はバスなどの公共交通機関か、「まちのり」の愛称で知られるレンタサイクルを利用すると便利です。
レンタサイクルが定着し出したのは近年で、緑の小さい自転車を街中で多くみられるようになりましたね。

ひがし茶屋街

今回スタート地点として選んだ「ひがし茶屋街」は兼六園や21世紀美術館などと並び、金沢の有名な観光地として知られています。
実際の地名は東山1丁目に位置しており、地元民はひがし茶屋街ではなく東山(ひがしやま)と呼ぶ人が多いでしょうか。

ちなみに京都の祇園も茶屋街にあたりますが、その祇園があるのも京都市東山区ですね。

「茶屋街」とは、お茶を飲む喫茶店の集まり・・・という意味ではなく、芸妓さんとのお座敷遊びや遊郭など大人の遊び場・社交場として栄えた江戸時代からの歓楽街のことを指しています。

ひがし茶屋街の歴史は江戸時代まで遡り、城下町近郊を流れる金沢の代表的な河川である犀川・浅野川両界隈には多くの茶屋が建ち並んでいました。
加賀藩の許可を得て正式な茶屋街として栄えるようになったのは1820年頃からだそうです。

豆知識はのこの辺りにしておいて、、、今日の散歩コースを辿っていきましょう。

この日はGW真っ只中な上に絶好の散歩日和。

当然ひがし茶屋街も多くの人で混雑しており、中々写真を撮るタイミングが難しかったのですが、入口から中に入ったメインストリートにて「ひがし茶屋街らしい」1枚を撮影できました。

軒先にツバメの巣があるらしく、多くのツバメが低空飛行で飛び回り観光客を楽しませていました。

本当に多くのツバメが飛び回り、親鳥が雛のために餌を加えて帰ってきたり、とても癒されました。
ひがし茶屋街のツバメは一般的に知られるほど有名みたいですね。

もっとアップでキレイに撮りたかったのですが、中々難しいですね!

ただ、この日は何度も言っていますがGW中。

スタートした時間がちょうどお昼時ということもあり、茶屋街にあるいくつかの飲食店は大行列でした。
観光地の繁忙期なので当たり前と言えば当たり前ですね。

こうして多くの人が訪れて楽しんでいる様子を見るのは金沢市民としては嬉しいことです。

しかしながら混雑具合が半端なく、、、足早に茶屋街を後にしたのでした。(笑)

フォトジェニックなひがし茶屋街の様子を見たい人は、金沢市観光公式サイトの「金沢旅物語」さんのページからご覧ください。
https://www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp/spot/detail_10212.html

魅力的な写真がたくさん載っていますね!

卯辰山往路

卯辰山は標高約141mの小さな山です。
低い山ではありますが、金沢城を見下ろす位置にあることから、江戸時代を通じて庶民の登山が禁止されていました。

現在は遊歩道や公園も整備され、金沢市内を見下ろせる眺望スポットも数多くあるため、手軽に散策するにはちょうどよい山です。

茶屋街の路地を抜けると、卯辰山に通じる坂道に出ます。

イキナリけっこう急な上り坂に出くわすため、大変そうに見えますが、最初だけなので大丈夫です。

東山・茶屋街の風情を残しつつ登山道(というには大袈裟ですが)に繋がっているため、坂道もいい雰囲気です。

この坂道の中腹右側に宝泉寺さんがあるのですが、ここに早速眺望スポットがあります。

宝泉寺の創建は1606年。
加賀藩主前田利家公の守本尊秘仏「摩利支天」を祭っているお寺さんです。
古い歴史を持つお寺さんですが、ホームページ上での発信も積極的で非常にユニークな印象です。
参考までに宝泉寺さんのホームページへのリンクを貼っておきます。
https://gohonmatsu.or.jp/

茶屋街を抜けて僅か240m(徒歩3分程度)ほどの場所に金沢市内を見下ろせる場所があるのですから、意外なスポットですね。
卯辰山までは登れないけど、ちょっぴり眺望を楽しみたいという人は訪れてみてください。

大きな鯉のぼりも上がっていました。

写真には掲載しきれませんが、石彫りの仏像の他にも珍しいものがいろいろとありました。

寄り道した宝泉寺を後にして、子来町(こらいまち)の道を歩き続けると「卯辰山公園線」という車道に出ます。

卯辰山の散策中の最初と途中2度ほど車道を横断することがありますが、元々交通量は少なく歩く距離も短いため、脇を歩けば大丈夫でしょう。

程なくして花菖蒲園(はなしょうぶえん)が見えてきます。

この時期はまだ花は咲いていませんでしたが、6月中旬~7月中旬に見ごろを迎える花菖蒲やアジサイがキレイだそうです。

園内に入って右手の奥に鳥居が見えるので、そちらに向かって歩いていきます。

ここからは基本的に道なりに進んでいくのですが、急に人気がなくなります。(笑)

ひとり自然と対話しながら日常から解放される時間を持ちたい人にはピタッリかもしれません。

途中、宝泉寺以来2箇所目の眺望スポットに出くわします。

「安政の泣きの一揆」の時に叫んだ場所のようで、悲運の丘ですね。
※当時は卯辰山登山は禁止されており、金沢城を見下ろすこの場所から一揆を叫んだ農民たちはその後捉えられ死罪になったそうです。

立派な竹林に囲まれつつ、さらに進みます。

この辺りになってくるとあまり上り坂はないのでサクサク歩けます。

玉兎ヶ丘公園

車道を挟んだ向かい側に玉兎ヶ丘公園(ぎょくとがおかこうえん)が見えてきます。

眺望スポットである見晴らし台のちょうど裏側に位置する公園です。

日本庭園のように整備されており、とても趣がある佇まいの公園です。

子供用の遊具やトイレ(但し男女共用)もあり、奥の方には「平和の子ら」像や「殉職警察官の碑」なるものまであり、ただの公園ではない存在感がありました。

そんな存在感がある玉兎ヶ丘公園なのですが、、、公園内には誰もいませんでした。(笑)

ひがし茶屋街の溢れんばかり人ごみとの対比が何とも言えず、、、不思議な感覚に陥りました。

見晴らし台

玉兎ヶ丘公園を後にして階段を下り、見晴らし台にやってきました。

卯辰山の代表的な眺望スポットのひとつで、金沢城や兼六園などを眼下に山から南西方向を見渡せます。

ちなみに茶屋街を抜けた坂道を歩き出してから、ここまでの歩行時間は約30分といった所です。

中央には謎のオブジェが。
風に吹かれてクルクルと回っていました。

金沢城方面を写真に収めるのを忘れましたが、、、標高141m程度とはいえ、金沢には背の高い建物が少ないため、見晴らしはよかったです。

ここにはベンチもあるため、座ってお弁当を食べたり、ぼーっしてとゆっくり過ごしたりすることもできます。

本が好きな人は読書を楽しむのも良いかもしれません。

GW中にも関わらず人はまばらでした。(何組かすれ違いましたので、さすがにゼロではありませんでしたw)

望湖台

見晴らし台を後にして、再度玉兎ヶ丘公園を通り抜けて、もうひとつの代表的な眺望スポットである望湖台(ぼうこだい)に来ました。

こちらは見晴らし台とは逆方向というべきか、金沢駅方面から日本海を見渡せる眺望スポットです。

こちらの方が解放感がある景色ですね!
やはり海が見えるからでしょうか。

上の写真の左に見える背の高いビルは金沢駅前のホテル日航金沢(地上30階/高さ130.5m)、真ん中やや左に見えるが石川県庁(地上19階/高さ98.8m)です。
それぞれ石川県で1番目、2番目に高いビルになります。

卯辰山の標高は141mですから、ここ一帯では一番高い場所、ということになりますね。

卯辰山復路

望湖台を後にして「さて下山をしよう」と思ったのですが、来た道を戻るのも面白くないし、とりあえず地図は見ずに目の前にあった下山道を下ることにしました。

復路、特筆すべき点はありませんでしたが、1本道で迷う分岐もなく、市街地に降りてからは途中右に曲がってしまわないようにだけ注意すれば、やがて東山の方へ戻ってきます。

ひがし茶屋街は相変わらず人で溢れかえっており、人の世に戻ってきたな~と実感しました。(笑)

そして最後は静かな浅野川に出て遊歩道を歩いて戻ったのでした。

寄り道:主計町

浅野川を金沢側に渡って通りを挟んだ向かい側には主計町(かずえまち)というもう一つの茶屋街があります。

川沿いのフォトジェニックなスポットとして、ひがし茶屋街とはまた別の趣がありますね。

こうした街並みには着物姿の女性がよく似合います。
ここ近年お手軽に着物をレンタルできる店が増えて、街中を着物で歩いている人が本当に増えました。

京都の街並みを思い起こさせる狭い路地裏もあったりします。

規模としてはこじんまりとしていて小さいですが、ひがし茶屋街へ行った際は併せて立ち寄ってみるとよいかと思います。

あとがき

今回はひがし茶屋街⇔卯辰山というコースを歩きました。

最後の主計町の寄り道を入れて約2時間の散歩でした。
けっこう寄り道した感じでしたが、それでも2時間とは振り返ってみて少し自分でもびっくりしました。

「たった2時間」でこれだけ楽しめるなんて!と。

総歩行距離としては約4.4km+@で、休憩なしで歩くと実質的には1時間ちょっとで歩けてしまいます。

ただ、それだと面白みがないので途中寺院に寄り道したり、休憩したり、山頂でランチをしたり、いろいろな楽しみ方があるでしょう。
時間に余裕を持って散歩できる分、バリエーションの幅が広がるコースです。

帰りに温泉に立ち寄ってサッパリというのも最高かもしれませんね。

それにしても一番印象に残ったのは、卯辰山に来てる人の少なさです。(笑)
確かにひがし茶屋街ほど観光資源と言えるほど特筆すべき資源はなく、「山」と「眺望」だけですが、それにしても・・・。

ひがし茶屋街のあの人だかりを見てから卯辰山に登ったので、なおさらそう感じたのかもしれませんね。

長い時間行列に並んで美味しいランチを食べるのも一興ですが、卯辰山の見晴らし台のベンチに座って金沢市内を一望しながら食べるランチ(お弁当)も最高だろうなぁ!と思わずにはいられません。

しかしながら、卯辰山には多くの人を受け入れるキャパはないので、やはり静かな佇まいがよいのかな・・・。

金沢観光に来ている人のニーズは「金沢らしさ」にあるのでしょうね。

ひがし茶屋街に来られる際、卯辰山の見晴らし台までは行けないけど・・・という人はひがし茶屋街から程近い宝泉寺さんの眺望スポットまでは足を運んでみるとよいかもしれません。

ひがし茶屋街から少し足を伸ばせば、卯辰山や素敵な眺望スポットがありますので、お時間に余裕がある場合は是非訪れてみてはいかがでしょうか。