金箔と金粉の違いについて

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金(きん)についてはほとんどの方が一般的な知識を持ち合わせていると思いますが、金箔と金粉について時々間違えられることがありますので、少し説明をしてみたいと思います。

英語にするとそれぞれ以下のような言葉になります。

:Gold /  金箔:GoldLeaf / 金粉:GoldPowder

金箔も金粉も本物の「」ではありますが「純金」ではありません。
純金は純度99.99%以上の金のことを指し、よく耳にする金24Kとは約4.17%を1Kとして(100%÷24=約4.17%)、金の最高純度=純金を意味しています。

主に代表的な金箔工芸で使用される金箔4号色の配合率は(金94.43% / 銀4.90% / 銅0.66%)で23Kになります。
当社の金箔商品もこの4号色を使用して制作しています。

なお、24Kなどの「K」はkarat(質量)を意味しています。

金粉とは

金粉とは読んで字の如く金の粉末を意味しています。
物理的製法はやすりにかけたり、金箔の屑を粉砕して得ることができ、化学的製法は塩化金の溶液を化学的に処理して作られます。

その主な用途としては以下が挙げられます。

  • 蒔絵などの工芸品
  • 食用

蒔絵などの工芸品で使われる金粉は細かく粉砕した金の粉として使われますが、食用の金粉は実際は金箔と同じ意味合いで使われるケースが多いです。

食用金箔(金粉)は体内に吸収されずにそのまま体外に排出されるため、栄養価はゼロですが、人体に害はありません。
日本国内では着色料、食用添加物として厚生労働省から認可されています。

金箔とは

金を微量の銀や銅とともに金槌で叩いて極限まで薄く引延ばし、箔状態にしたもので、その厚さは約10,000の1mm~3mmとも言われており、1gで畳2畳分ほどの大きさになります。

その主な用途としては以下が挙げられます。

  • たんす・襖・屏風などの家具類
  • 漆器・陶磁器、仏壇・仏具などの美術工芸品
  • 金閣寺などに代表される建築物の外装・内装
  • ソフトクリームや羊羹などの菓子・食料品
  • 日本酒など嗜好品
  • 化粧品

江戸時代、加賀藩前田家の藩政期に入り金沢で仏壇が本格的に製造されるようになって以来、金箔の用途の90%以上は仏壇・仏具であるとされてきました。

ただ近年は海外からの安価な仏壇の輸入や、そもそも仏壇を家に置かない家庭も増えてきており、仏壇業界は衰退気味だと言われています。

仏壇の本来の目的は家の中にお寺を作り、先祖供養と感謝をする場として日本文化と密接に結び付いた役割を果たしてきました。

・・・と話が少し仏壇の方向へ脱線しましたが、金はその美しい光沢を含めて古来から豊かさと富の象徴であり、今なお多くの人を惹きつける魅力的なモノであることに変わりはありません。

金箔に印刷された美しい色やデザイン、そしてその独特の模様(テクスチャ)は一つ一つ異なります。
そのため個性的な仕上がりとなり、純金の持つ光沢感とはまた違った芸術作品のような存在感があります。

金箔についてご興味ある方は以下の記事も併せてご覧くださると幸いです。

また、金沢において金箔産業が発展した理由や金箔についてより詳しく知りたい方は金沢と金箔の歴史をご覧ください。